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そう、それはまるで
一粒のしずくが
新緑の一枚からこぼれ落ちる瞬間を待つように
愛おしく、時に歯がゆい時間なのです。
それでもわたしは
その宝石のような一粒、一粒をゆっくりと待つのです。
どこからか湧き出る水を汲みに探し行くのではなく
朝露が少しつづ粒の大きさを増すように
ゆっくりと、その時を待つのです。
いつしか珠となったしずくは
重力に逆らうことなく
新緑の一枚から滑り落ちる
その流れは
時を止めるような滑らかさと
二度と聴くとこの出来ないメロディを奏でながら
わたしという瓶のなかに
綺麗な輪を描いて広がるのです。
その小さな輪は
やがて大きな輪を描きながら
瓶の外へと広がってゆく
溢れだした水の輪は
七色の光と共に
また空へと返ってゆく
そんな一粒を
ただ、ただ
そんな一粒を
朝を待つように
わたしは
夜明け前の静けさに
心を寄せるのです。